商談の議事録はAIで自動化でき、「書く仕事」から「確認する仕事」に変えられます。やり方は、①オンライン商談ツールの文字起こしをAI(Claude)に渡す、②要点整理とCRM入力とお礼メールの下書きまでを一つの指示で実行させる、③人は最後に確認だけする——この3段です。私はこの形にしてから、商談1件あたりの後処理が20分前後から3分ほどになりました。この記事では、実際に毎日使っている手順をそのまま公開します。

商談の議事録作成が終わらない理由
営業の現場で議事録が負担になるのは、書くことそのものより「同じ内容を何度も転記している」ためです。
- 商談中のメモ → 清書した議事録
- 議事録 → CRM(HubSpotやSalesforce)の商談メモ欄
- 議事録 → 上司への報告
- 議事録 → お客様へのお礼メール
1回の商談から4種類のアウトプットを手作業で作っている状態です。1件20分としても、週10商談なら200分。この時間は商談準備にも追客にも使えていません。
AIによる議事録の自動化とは、この「転記」をなくすことです。文字起こしという一次情報を1つ作れば、残りの4種類はすべてAIが派生させられます。
AIで議事録を自動化する3ステップ
前提として、特別な開発は不要です。使うのは次の2つだけです。
| 道具 | 役割 | 費用感 |
|---|---|---|
| tl;dv(またはZoom/Meetの文字起こし) | 商談の録画と文字起こし | 無料プランから |
| Claude(クロード) | 要点整理・CRM入力・メール下書き | 月額プランで可 |
ステップ1: 商談の文字起こしを自動で残す
オンライン商談にtl;dvなどの録画ツールを同席させ、文字起こしを自動生成します。ここで大事なのは「商談中にメモを取るのをやめる」ことです。メモはAIの仕事にして、人は会話に集中します。
※録画は必ず冒頭で相手の了承を取ってください。「議事録の精度を上げるため録画させてください」で断られることはほぼありません。
ステップ2: Claudeに文字起こしを渡して一括処理させる
商談後、文字起こし全文をClaudeに渡し、次のような指示を出します。
この商談の文字起こしから、以下を作成してください。
1. 議事録: 参加者/先方の課題/当社の説明内容/先方の要望/温度感/次のアクション
2. CRM入力用の要約: 商談メモ欄にそのまま貼れる5行
3. お礼メールの下書き: ①貴社の状況 ②お力添えできる点 ③今後の流れ の3段構成
この指示を毎回打つのは手間なので、私はスキル(定型指示の保存機能)にして「商談処理して」の一言で走るようにしています。実際の運用では、Notionの「商談メモ受信箱」データベースに議事録が登録され、HubSpotへの反映とGmailのお礼メール下書きまで自動で終わります。
ステップ3: 人は「確認と送信」だけやる
AIの出力をそのまま送らないことが、自動化を定着させるコツです。
- 1. 議事録の事実関係を確認する(数字・固有名詞・期日)
- 2. お礼メールの下書きを開き、一言だけ自分の言葉を足して送信する
- 3. CRMの商談メモを確認して保存する
ここまでで3分程度です。「AIが書き、人が確認する」の分担にすると、精度の不安なく毎日回せます。
自動化した議事録の品質を落とさない3つのコツ
議事録のフォーマットを固定する
毎回自由に書かせると品質がぶれます。「参加者/現状/当社説明/先方要望/温度感/次のアクション」のように項目を固定した指示にすると、商談をまたいだ比較もできるようになります。
温度感と次のアクションを必ず入れる
議事録の価値は記録ではなく「次の一手」です。先方の発言から温度感(前向き/迷い/様子見)を判定させ、期日つきの次アクションまで書かせると、追客漏れが減ります。
実在の顧客情報の扱いを決めておく
文字起こしには顧客の固有情報が含まれます。AIツールの学習設定(入力データを学習に使わない設定)を確認し、社内のデータ取扱い規程に沿って運用してください。
どこまで自動化できるか(実務での線引き)
私の顧問先でもこの仕組みを導入していますが、うまくいく会社は「全部をAIに任せない」線引きが明確です。
- 自動化する: 文字起こし、議事録の清書、CRM入力、お礼メールの下書き、追客リマインド
- 人がやる: 商談そのもの、温度感の最終判断、メールの最後のひと言、送信ボタン
商談の前後の事務はAIに寄せて、人は会話と判断に集中する。この形が、営業のAI活用でもっとも早く効果が出る入口です。関連して、朝のメール処理を自動化する手順は営業メールのAI返信下書きで、営業リストの優先順位づけはAIによるリストスコアリングで解説しています。
よくある質問
無料のツールだけでも議事録の自動化はできますか?
できます。tl;dvは無料プランで録画と文字起こしが可能で、Claudeも無料枠から試せます。まず1商談で試し、効果を確認してから有料プランを検討する順番で十分です。
文字起こしの精度が低い場合はどうすればいいですか?
多少の誤字は問題になりません。AIは文脈から補正して要点を整理できるためです。ただし固有名詞(社名・製品名・金額)は誤認しやすいので、確認ステップで必ず目視してください。
ChatGPTでも同じことができますか?
要点整理だけならできます。ただし、Notion・Gmail・HubSpotといった実務ツールへの反映まで一気通貫にするなら、コネクタ(外部ツール連携)が充実しているClaudeのほうが手数が少なく済む、というのが両方を使っての実感です。
この手順をそのまま使いたい方へ
この記事で紹介した商談処理の指示文(プロンプト)一式は、配布フォームから無料で受け取れます。自社の営業フローに合わせた組み込み方を相談したい場合は、AIgearの無料壁打ち(月5枠・60分)をご利用ください。売り込みはしません。