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失注分析のフォーマットは5項目で足りる|記入例30件と集計手順

公開: 2026-09-15|更新: 2026-09-15|執筆: 花川和也(株式会社figfig・AIgear運営)

失注分析のフォーマットは、「ID・商談額・商談回数・決裁者特定(済/未)・失注理由メモ」の5項目で足ります。失注フェーズや競合名、所感まで並べた10項目の表は配っても埋まらず、埋まらないフォーマットは分析に使えません。この記事では、5項目それぞれが無いと分析がどこで止まるか、エクセル・Googleスプレッドシートでの作り方、架空30件の記入例を先に載せ、後半で、そのフォーマットに溜めた失注リストをAIに読ませて「分類 → 真因の裏読み → 打ち手」まで出す手順(プロンプト3本の全文と出力例)を書きます。実演動画では、30件を貼ってから打ち手が出るまで5分ほどでした。

失注分析のフォーマット5項目(ID・商談額・商談回数・決裁者特定・失注理由メモ)に失注を溜め、AIで①理由を分類して件数と金額で集計→②商談回数と決裁者でクロスして真因を裏読み→③上位2つの真因に絞り打ち手とトークの言い換えを出す流れ。架空データ30件の実演で5分ほど

失注分析のフォーマットは5項目で足りる

失注分析は、失注した案件の理由を分類・集計して、次の商談プロセスを直す作業です。フォーマット(記録の型)を決める目的は「きれいな一覧を作ること」ではなく、「価格で負けた」と書かれた案件が本当に価格で負けたのかを、後から検証できる列を残しておくことにあります。その検証に必要な列は5つです。

項目無いとどうなるか
IDL01分析結果の指摘に根拠の案件を添えられず、後から検証できない
商談額(万円)240件数順しか出せず、件数は少ないが金額が大きい負け筋を見落とす
商談回数1「価格失注」が本当に価格かの検証ができない
決裁者特定(済/未)フェードアウト(音信不通)案件の共通点が出ない
失注理由メモ「思ったより高い」と。初回で見積出したらトーン下がった。これが無いと分類自体ができない

営業担当者・会社名・業界・失注時期の4列は、あれば「業界別に負け筋が違うか」「特定の月に失注が固まっていないか」を見られるので足してよい列です(実演で使った架空データは会社名・業界・失注時期を含む8列)。営業が2人以上いるなら担当者列は必須で、②の裏読みを担当者との1対1で読み合わせるとき(後述のFAQ)と、担当者別に負け筋が偏っていないかを見るときに使います。1人営業なら不要です。分析の核になるのは「商談回数」と「決裁者特定の有無」の2列で、この2列があるかどうかで、分析が「分類で終わる」か「真因まで進む」かが分かれます。

10項目のテンプレートから「失注フェーズ・競合名・所感」を外した理由

失注分析のフォーマットを紹介する記事の多くは、案件名・顧客名・担当者・商材・失注日・失注フェーズ・失注理由(選択式)・具体的な理由・競合他社名・所感/アクションプランの10項目前後を並べています。項目としては正しいのですが、営業が失注のたびに10項目を埋める運用は、私が見てきた範囲では3か月で止まります。5項目に絞った理由は次の3つです。

埋まらない10項目より、必ず埋まる5項目のほうが分析には役に立ちます。

失注分析フォーマットの記入例(架空30件の抜粋)

次の表は、実演用に作った架空の失注リスト30件(会社名はすべてダミー)から6件を抜粋したものです(失注時期の列は省略)。実際の現場の失注メモは、これと同じくらい粒度がバラバラです。

ID	会社	業界	商談額(万)	商談回数	決裁者特定	失注理由メモ
L01	サンプル物流	物流	240	1	未	「思ったより高い」と。初回で見積出したらトーン下がった。
L03	デモ商事	商社	300	3	済	競合B社に決定。向こうは同業の導入事例が複数あって安心感で負けた。
L05	架空クリニックグループ	医療	200	1	未	「検討します」のまま連絡つかず。フェードアウト。
L08	架空エナジー	エネルギー	350	2	未	「上に通らなかった」。担当は前向きだったが決裁者と話せてない。
L15	架空アパレル	アパレル	110	1	未	値段が予算オーバー。価値の説明が足りなかった気がする。
L24	ダミー商店	小売	120	1	未	高い、の一言。要件すり合わせ前だった。

「高い、の一言」と「価値の説明が足りなかった気がする」が同じ列に混在している状態で構いません。表記を揃える作業は、後段でAIに任せます。

失注理由メモは「相手の言葉」と「自分がそう思う理由」の2文で書く

5項目のうち、書き方に迷うのは失注理由メモだけです。ルールは1つで、「相手の言葉」と「自分がそう思う理由」を1文ずつ残すことです。上の例なら「『思ったより高い』と(相手の言葉)。初回で見積出したらトーン下がった(自分の理由)」の2文になります。

「高い」「検討中」の一言だけだと、分類はできても、「本当に価格が原因か」の検証ができません。後の出力例でAIが「価格ではない」と言い切れたのは、メモに「初回で見積出した」「要件すり合わせ前だった」という背景が残っていたからです。2文で200字以内を目安にすれば、失注のたびに書いても1分で終わります。

失注理由は選択式にせず、自由記述で残す

失注理由を「価格・競合・タイミング」などのプルダウンにすると入力は楽になりますが、営業が選択肢に迷って「その他」に逃げる問題が起きます。この記事のフォーマットでは自由記述にし、分類は後段でAIが意味で揃えます。選択式にする場合は、選択肢を10〜15個程度にし、「その他」が20%を超えたら選択肢を見直す運用が目安とされています(出典: スタートリンク「失注分析の設計と活用」)。

失注分析フォーマットをエクセル・スプレッドシートで作る手順

フォーマットの作り方はエクセルでもGoogleスプレッドシートでも同じで、5分で作れます。

  1. 1. 新しいシートの1行目に「ID・商談額(万円)・商談回数・決裁者特定・失注理由メモ」の5列を入れ、必要なら「会社名(任意)」「営業担当者(複数人なら必須)」を足す。1行が1案件
  2. 2. IDは「L01、L02…」のように接頭辞つきの連番にする。分析結果の指摘に「L01・L15」と根拠が返ってくるので、番号だけより追いやすい
  3. 3. 商談額は万円の整数、商談回数は整数だけを入れる。「約200」「3回くらい」と文字が混ざると集計が崩れる
  4. 4. 決裁者特定は「済/未」の2値だけにする。データの入力規則(スプレッドシートは条件「プルダウン」、Excelは入力値の種類「リスト」)で2択に固定すると表記ゆれが消える
  5. 5. 失注理由メモの列は折り返しをオンにし(スプレッドシートは表示形式 → ラッピング → 折り返す、Excelはホーム → 文字列の折り返し(旧名: 折り返して全体を表示する))、上の「2文」ルールで書く
  6. 6. 過去分は、直近の失注20〜30件を記憶とカレンダー・メールから埋める。1時間で作れます

私はGoogleスプレッドシートを使っています。理由は1つで、claude.aiのGoogle連携(コネクタ)で、シートをコピーせずに直接読ませられるからです。エクセルで管理している場合は、表をコピーしてチャットに貼れば同じ手順で動きます。

失注理由メモを一から書く手間は、商談後の議事録から「ネック」の欄をそのまま転記すれば省けます。議事録を毎回同じ型で残す方法は商談議事録のAIプロンプトで書いています。HubSpotを使っている場合は、取引に既定である「失注理由(Closed Lost Reason)」プロパティが自由記述なので、そのまま失注理由メモの列として使えます。失注ステージに移すときの必須入力は、パイプライン設定のステージごとのプロパティ設定で行えば、月初にエクスポートするだけで5項目が揃います。商談メモから取引への反映をAIに任せる動線はHubSpot AI連携で商談メモを反映する手順に分けました。

失注分析のやり方: フォーマットに溜めた30件をAIで集計する

ここからは、5項目で溜めたリストを分析に回す手順です。人がやると、30件を読んで分類を揃えるだけで1〜2時間かかり、多くの会社はそこで手が止まります。分類の先の「本当に価格が原因か」「音信不通に共通点はあるか」まで進むには、商談回数と決裁者の列でクロス集計する必要があり、これはAIに向いている作業です。

やり方は、失注リストをコネクタで読ませるか表のまま貼り、次の3本のプロンプト(指示文)を順番に流すだけです。3本はYouTubeの実演動画で使い、概要欄から配布している指示文の実物で、動画で使った版そのままから「(架空データ)」の注記だけ外しています。

プロンプト1: 分類と集計(まず全体像だけ出す)

これは私の失注案件メモです。失注理由を読み取り、棚卸ししてください。

【やること】
1. 失注理由を意味で分類する(例:価格/予算・タイミング/競合に決定/決裁者・社内承認/現場の抵抗・運用不安/機能不足/フェードアウト等)。私が挙げた分類名に縛られず、データから自然なカテゴリを作ってよい。
2. カテゴリごとに「件数・全体に占める割合・合計失注額(万円)」を表で。
3. 失注額の大きい順でも見せて。「件数は少ないが金額が大きい」カテゴリを見落とさないため。

確証がない判断は「要確認」と明記すること。まだ打ち手は出さなくていい。全体像だけ。

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(ここに失注リストを貼る)

ポイントは「失注額の大きい順でも見せて」と「まだ打ち手は出さなくていい」の2行です。件数順だけだと件数の多い「価格」に目が行き、1件300万円級の「競合に決定」を見落とします。ここで打ち手を出させると、分類の根拠が薄いまま一般論が並びます。

プロンプト2: 裏読み(商談回数と決裁者でクロスする)

分類で終わらせず、一歩踏み込んでください。

- 「価格」で失注した案件の "商談回数" と "決裁者を特定できていたか" を横断で見て、本当に価格が原因なのか、それとも別の要因(例:価値を伝える前に金額を出している)なのかを検証して。
- 「フェードアウト(音信不通)」の案件に共通するパターンはあるか。
- 「競合に決定」の案件で、相手が選ばれた決め手に共通点はあるか。
- 表面的な失注理由と、データから読める "真因" が食い違っているものを指摘して。

各指摘は、根拠になっている案件ID(L01等)を添えること。憶測と事実を分けて書くこと。

この段が失注分析の本番で、フォーマットに「商談回数」と「決裁者特定」を入れておいた理由がここで効きます。2列でクロスさせると、「価格」と書いた案件のほとんどが「商談1回・決裁者に未到達」だった、という形で表面の理由が崩れます。

プロンプト3: 打ち手(上位2つに絞り、トークまで書かせる)

②の真因のうち、直せば一番受注が増えそうな上位2つに絞って、具体的な打ち手を出してください。

- 「商談プロセスのどこを・どう変えるか」を、明日の商談から実行できる粒度で。
- 一番効く真因については、次回商談で使える "トークの言い換え例" を実際に書いて(Before:今ありがちな言い方/After:こう変える)。
- 抽象論(「ヒアリングを強化する」等)は禁止。具体的な質問文・言い回しまで落とすこと。

「上位2つに絞る」のは、真因が5つ並んだ改善リストは翌週には誰も見ないからです。「抽象論は禁止」と書いておかないと、「ヒアリングを強化する」のような誰も実行できない文が返ってきます。3本を1回でまとめて頼まないのは、AIが最初の分類を根拠にせずに一般論の打ち手を書くからで、1段ずつ流すと指摘に案件IDがつき、打ち手が自社のデータから出てきます。

記入例30件を集計した結果(分類・裏読み・打ち手)

上の記入例と同じ架空30件を3本で処理した結果を、要点に整形して載せます。実際に流すと、AIの出力は「要確認」の行を含むもっと粗い文章で返ってきます。リストには「価格失注は商談1回が多い」「フェードアウトは決裁者未特定」「競合失注は事例・実績で負ける」という傾向を意図的に仕込んであるので、実データではここまできれいに割れないことは先に断っておきます。集計値はPythonで検算しています。

①分類と集計(表A 件数順/表B 金額順)

表A(件数の多い順)

カテゴリ件数件数割合合計失注額
価格826.7%1,150万円
フェードアウト620.0%740万円
競合に決定413.3%1,280万円
予算・タイミング413.3%720万円
決裁者・社内承認310.0%930万円
現場の抵抗・運用不安310.0%660万円
機能不足13.3%340万円
必要性なし13.3%150万円
合計30100%5,970万円

要確認: L16(現場は乗り気だが情シスが導入工数を懸念。「現場の抵抗・運用不安」に振ったが、「決裁者・社内承認」とも読める)。L10(競合の方が機能が多いと比較された。「競合に決定」に振ったが、「機能不足」の要素もある)。

表B(失注額の大きい順)

カテゴリ合計失注額金額割合件数1件あたり
競合に決定1,280万円21.4%4320万円
価格1,150万円19.3%8144万円
決裁者・社内承認930万円15.6%3310万円
フェードアウト740万円12.4%6123万円
予算・タイミング720万円12.1%4180万円
現場の抵抗・運用不安660万円11.1%3220万円
機能不足340万円5.7%1340万円
必要性なし150万円2.5%1150万円

件数では3位の「競合に決定」が金額では1位、件数では5位の「決裁者・社内承認」が金額では3位に上がります。1件あたりで見ると、価格失注(144万円)の2倍以上の案件を競合と決裁者で落としています。フォーマットに商談額の列が無いと表Bが作れず、件数の多い「価格対策」だけに走ることになります。

②裏読み(表面の理由が崩れる)

いちばん強いシグナルは、「価格」と「フェードアウト」を合わせた14件(件数の46.7%・金額の31.7%)が、例外なく商談1回・決裁者未特定だったことです。表面上は別の理由に見える2つのカテゴリが、同じ負け方をしていました。

③打ち手とトークのBefore/After

上位2つは「①価値を伝える前に金額を出している(価格8件+決裁者3件に波及)」と「②初回商談の締めで次アクションを決めていない(フェードアウト6件)」です。競合4件は金額では最大ですが、同業事例の整備は営業プロセスではなく提案資料の話なので、この2つの後に回します。

打ち手1: 見積を出す前のゲートを設ける

価格を聞かれたとき

Before: 「だいたい月20万円くらいですね」(初回で概算を即答)

After: 「正確な数字は構成で変わるので、適当な額で判断を誤らせたくないんです。先に1つだけ教えてください。今いちばん手間がかかっているのはどの工程で、それをいつまでに解消したいですか。それを踏まえて次回、御社専用の構成と概算をお持ちします」

決裁者を特定するとき

Before: 「ご決裁はどなたになりますか」(相手が答えにくく、はぐらかされる)

After: 「もし進めるとなった場合、社内ではどなたに何を説明する必要がありますか。その方が気にされそうな点を、私が資料に先に入れておきます」

打ち手2: 初回商談を「次回アポの確定」で締める

商談の締め

Before: 「では、ご検討のほどよろしくお願いします。何かあればご連絡ください」

After: 「ありがとうございます。社内で確認いただく点を整理すると、AとBの2つですよね。その回答をいただく場を、来週の火曜午後か木曜午前のどちらかで30分いただけますか。それまでに私は御社向けの概算を用意します」

着手順は打ち手2が先です。次回アポの確定は今日の商談から変えられ、打ち手1(金額を2回目に回す)はアポが確定して初めて成立するためです。

3本をスキル化して「失注分析して」の一言で走らせる

3本のプロンプトを毎回コピペするのは月1回ならそれで足りますが、私はこの3段をClaudeのスキル(定型の指示に名前をつけて保存し、一言で呼び出す機能)として登録しています。

スキルに入れているのは3本のプロンプトそのものに加えて、毎回同じ品質にするための「基本姿勢」です。私のスキルの冒頭にはこう書いています。

## 基本姿勢(全フェーズ共通)
- 事実と推測を必ず分ける。データに書いてあること=「事実」、そこから読み取った解釈=「推測」と明記する。
- すべての指摘に案件ID(L01等)を添える。根拠のない一般論は書かない。
- 確証のない判断は「要確認」と明記する。断定しない。
- 抽象論は禁止。「ヒアリングを強化する」のような言い回しで止めず、具体的な質問文・トーク・プロセスの変更点まで落とす。
- 分類名はユーザーが挙げた例に縛られず、データから自然なカテゴリを作ってよい。

スキルに登録する手順

登録の仕方は2通りあります。私は動画では1つ目の方法で登録しました。

  1. 1. 会話の中で作らせる: 失注リストを貼って①②③を一通り実行したあと、そのまま「今の①②③を『失注分析』というスキルにして保存して」と1行打ちます。Claudeがそのやり取りをもとにスキルの中身を書くので、内容を確認してから保存します。上の「基本姿勢」の5行を先に貼ってから頼むと、同じ品質で保存されます。保存したスキルは Customize > Skills の一覧に出ます。一覧に出ない場合は、方法2で登録してください
  2. 2. ファイルとして登録する: 3本のプロンプトと基本姿勢を1つのテキストにまとめ、SKILL.md という名前で保存し、そのフォルダをZIPにします。フォルダ名はスキル名と同じにしてください。claude.aiの Customize > Skills を開き、「+」→「Create skill」→「Upload a skill」でZIPを上げます。登録したスキルは一覧のスイッチでオン・オフできます

前提として、スキル機能はコード実行(code execution)が有効になっている必要があります。個人向けプランでは Settings > Capabilities で、Team/Enterprise では組織設定の Skills で有効化します。スキル自体は無料プランを含む全プランで使えます(導線と対応プランは Claude 公式ヘルプ「Use skills in Claude」で 2026-09-15 に確認。メニュー名は公式ヘルプの英語表記)。

呼び出し方はどちらの方法でも同じで、失注リストを貼って「失注分析して」と打つだけです。「全体像だけ」と添えれば①で止まり、「打ち手まで」と添えれば③まで進みます。

スキル化しなくても、3本のプロンプトを1つのテキストファイルに保存しておき、失注リストの後ろに順に貼るだけで同じ結果になります。3本のプロンプトは、こちらのフォームからまとめて受け取れます。架空データ30件は配布していませんが、上の記入例と同じ5項目で自社の失注を並べれば、同じ手順で動きます。

失注分析のフォーマット運用でつまずく4つの点と直し方

1. 失注理由メモが「高い」の一言で、裏読みが効かない

メモが「高い」「検討中」だけの案件ばかりだと、AIは分類はできても真因の裏読みができません。直し方は上の2文ルールです。過去分のメモが薄い場合は無理に埋めず、次の月から2文で残せば、2〜3か月で裏読みが効くリストになります。

2. 商談回数と決裁者の列が空欄のまま

失注理由しか記録していない会社は多く、その場合②の裏読みは「データに無いため要確認」で止まります。この2列があるだけで分析の深さが変わるので、フォーマットに入れるだけでなく、失注ステージに移す条件にしてください。過去分は、商談回数はカレンダー、決裁者特定は「その人と直接話したか」の1点で判定すれば埋められます。

3. AIの「真因」を断定として受け取る

AIの真因はあくまで仮説です。上の例は架空データで傾向を仕込んでいるから断定調で書いていますが、実データでは「価格失注8件のうち5件が商談1回」のように割れます。プロンプトに「事実と推測を分けて」「要確認と明記して」と入れているのはそのためで、推測の部分を現場の営業と読み合わせ、「確かにあの案件は聞き切る前に金額を出した」と本人が認めた項目だけを打ち手にします。件数の少ないカテゴリ(1〜2件)の割合は大きく振れるので、母数も一緒に見てください。

4. 実在顧客のデータをそのまま貼る

失注リストには顧客名・金額・担当者名が入っています。Claudeの個人向けプラン(無料・Pro・Max)は、初回登録時に自分で選ぶ方式で、オフにしない限り会話の内容がAIモデルの学習に使われます。対象は、チャットに貼り付けた失注リストだけでなく、Claudeが出した分類・集計・打ち手の応答も含む会話全体です。Googleスプレッドシートをコネクタ経由で読ませた場合、コネクタが返した生データそのものは対象外ですが、その後の会話(貼り付けた文面と応答)は対象になります。実データを扱う前に、設定 → プライバシー → 「AIモデルの改善にご協力ください(Help Improve our AI models)」がオフになっているかを確認してください。Team/Enterprise などの法人プランは既定で学習に使われません(消費者向け利用規約・プライバシーポリシーと公式ヘルプで2026年9月16日に確認)。設定を確認する前に試すなら、貼る前に社名を「A社」、担当者名を「担当者」に置き換えてください。分析に必要なのは理由メモと商談回数・決裁者の列なので、社名を伏せても結果は変わりません。ChatGPTで試す場合も同じ扱いにします。

失注分析を月次で回し、次の受注につなげる

分析は1回やって終わりにせず、月1回、前月の失注を流すのが現実的な頻度です。四半期に1回だと、打ち手を試す前に同じ負け方を10件積み上げます。

失注理由をどの列で残すか、商談プロセスのどこにゲートを置くかは、業種と商談の長さで変わります。自社の失注リストを見ながら一緒に組みたい場合は、AIgearの無料壁打ち(月5枠・60分)で相談を受けています。

よくある質問

失注分析のフォーマットは、エクセルとスプレッドシートのどちらで作るべきですか?

5項目の構成はどちらでも同じです。AIに分析させるなら、claude.aiのコネクタで直接読ませられるGoogleスプレッドシートのほうが、毎月のコピーの手間が消えます。

失注データが10件くらいしか無くても分析できますか?

①の分類はできますが、②の裏読みは割合が大きく振れるので「傾向の仮説」として扱ってください。10件なら、AIに任せずに自分で読んだ方が早いこともあります。目安として、20〜30件たまってから②③に進むと、案件IDつきの指摘が現場の実感と合いはじめます。

受注した案件も一緒に貼った方がいいですか?

最初は失注だけで十分です。20〜30件で②の裏読みが回るようになったら、直近の受注10件を同じ5項目で足すと、「決裁者に会えた案件は価格で落ちていない」のように受注側との対比ができ、真因の精度が上がります。

分析結果を営業チームにどう共有すればいいですか?

①の表A・表Bと、③の打ち手2つだけを共有してください。②の裏読みは案件IDつきで個人の商談に踏み込むので、全体会議では出さず、担当者との1対1で読み合わせます。「価格で負けた」と書いた本人が「聞き切る前に金額を出した」と自分で言い直せる場にするのが目的で、責める材料にした瞬間に失注メモが薄くなります。

記事で使ったプロンプト・資料は無料で配布しています。
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